代表 山本 則子
東京大学 医学系研究科
健康科学・看護学専攻 教授
山口県出身
あなたは女の子だから理系を選ばないほうがいい、自宅から通える大学にしたらいい、そんなに頑張らなくていい―。そんなメッセージが今の日本の女子高校生の周りにもあふれていて、女子高校生の進路選択を意識的無意識的に狭めていると考えています。一方で、最先端のサイエンスの現場で生き生きと活動する女性研究者の生身の姿は、高校生のみなさんにはあまり見えていません。実際に学術の世界で活躍する女性の姿をもっと見てもらい、伸び伸びと自由に進路を選び人生を切り開いていって貰いたい。そう思って、グレーヴァさんとPSGを立ち上げました。
私自身は中学卒業直前に山口県から東京都に転居して、情報格差の存在を実感しました。高校時代は、生き生きと勉強し更なる高みを目指して進んでいく数多くの友人や先輩がたに恵まれ、女の子だって大志を抱くんだ、ということに疑問を持たずに進むことができました。PSGの活動が、日本の女子高校生の自由な進路選択に少しでも役立ち、学術の現場で、そしてそれ以外の様々な分野で、男女が等しく活躍する社会になることを願います。
副代表 グレーヴァ 香子
慶應義塾大学
経済学部 教授
神奈川県出身
色々な大学を見て来て、やはりよい大学に行くことにはすごく意義があると思いましたが、その情報がうまく伝わっていないとも思います。自分自身、大学(先生たち、仲間たち、大学そのものの評判など)に助けられてここまで来ました。情報格差のせいで、大学の選択肢を狭めている人がいたとしたら、それは減らせるのではないかと思い、山本先生とこのプロジェクトを思いつきました。
高校時代は反抗期でもあり、バレーボールばかりやっていました。また、数学は大切だとはわかっていたのですが、ちょっとさぼったら付いて行かれなくなり、3年間密かに辛い思いをしました。
大学入学後、高校数学とは違う数学(位相数学)があったので、これなら1からやれると思ってやってみたらうまくいき、その後どんどん数学的分析にはまって、今があります。数学的分析をやっていると、年齢も性別も関係なく、正しいことは正しいと認めてもらえるので、気分がよい世界だと思います。
PSGのメンバーのご紹介
粕谷 祐子
慶應義塾大学
法学部政治学科 教授
新潟県出身
私は大学進学に伴って東京に住み始めるまで、新潟県の佐渡が島で生まれ育ちました。大学在学中にはフィリピンに、大学院ではオランダとアメリカに留学し、最終的にはアメリカで博士号を取って現在に至ります。ここにたどり着くまでには本当に沢山の人や情報との出会いと転機がありましたが、私にとってもっとも重要な分岐点となったのは、東京にある大学(慶應義塾大学)に進学したことだと思っています。高校から大学にかけての時期というのは、末路が見えない道の前に立たされて選択を迫られている状況かと思います。そのような岐路に立っているみなさんの進路選びのお役に立てたら嬉しいです。
小林 京子
聖路加国際大学大学院
看護学研究科 教授
東京都出身
文系の大学を卒業後、一般企業での社会人経験を経て、再び大学・大学院に進学しました。やりたいことで研究・教育・臨床ができる今が楽しいです。「自分のやりたいことは何か?」が明確になると、やりたいことを突き詰めていくステップやさまざまなチャンスの扉が開くことを経験しました。大学院にいったり、研究に取り組んだり、アメリカ留学で海外の研究者と過ごしたりして、それらの全てがチェーンリアクションを生んで今の私をつくっています。そんな楽しさをみなさんと共有したいと思いました。このプロジェクトを通じて、みなさんの描く未来をたくさん聞けたらとても嬉しいです。
石井 由梨佳
防衛大学校 准教授
東京都出身
私自身も勉強途中ではありますが、このプロジェクトが地方在住の女子高生の皆様にとって、それまで考えてもいなかった進路、あるいは進学先を検討してもらえるきっかけになれば嬉しく思います。なお、私は米国大使館が主催しているGirls Unlimited Programのメンターを務めた経験もあります。こちらも女子中高生が自分と異なる経験や考え方、価値観に触れ、視野を広げることを狙いにしたプログラムです。このような場が増えて10代の女性の進路の選択肢が広がることを願っています。
松井 市子
新潟県で高校教員をしています。
大阪府出身
フルブライトのご縁でこのプロジェクトに参加することになりました。本プロジェクトは学び続ける女性にフォーカスしています。日本でトップレベルの高等教育を受けた人が中高校生、特に地方の女子にアウトリーチするという大変興味深い企画です。私は新潟が大好きで、生活が充実しているのはこの土地の風土が一因だと思っていますが、高等教育機関を求めてこの土地を離れる人は少なくないです。素晴らしい教育環境で素晴らしい人々に出会い、学びを追及し続けられれば、地方からどんどん若手がいなくなるという現象に何らかの手を打てるはずだという希望をもってこのプロジェクトを推進していきたいと思います。
奥山 陽子
スウェーデン ウプサラ大学
経済学部 助教授
大阪府生まれ、宮城県在住を経て、
高校生時代は神奈川県在住でした。
皆さんと同じ高校生の時、私は新聞部に所属しており、部活動三昧の生活を送っていました。その時に、卒業生の女性たちに取材する連載を担当したのがきっかけで、世の中には想像したこともなかったような学問や職業があり、また、人には色々な生き方があることを知りました。
現在私は縁あってアメリカ留学を経てスウェーデンで暮らしていますが、今でも、知ることは生きる力・前進する力になる、と実感しています。
このプロジェクトが、皆さんにとっての「知る」きっかけの一つになることができれば、嬉しいです。
PSG事務局 自己紹介
事務 村上 愛
広島県出身
私が高校生の時、「とにかく地元を出て遠くに行ってみたい」という気持ちが強くありました。でも、なかなか情報も少なく、何をどうしたらいいのかわからないことだらけでした。「とりあえず東京に行けば世界が広がるかもしれない」と思い、東京の大学を選びましたが、大当たりでした。様々な人に出会い、時には失敗し、どんな自分になりたいのか、どんな風に生きていきたいのかだんだん夢が具体的になりました。今は経済学者になるため、ずっと憧れていたアメリカの大学に留学しています。この道は東京の大学に進学したことによって拓かれました。高校生のみなさんには様々な可能性が広がっています。このプロジェクトを通じて、みなさんが少しでもなりたい自分になるためのお手伝いができればうれしいです。
事務 川瀧 紗英子
山梨県出身
高校生の時の一番の得意科目は国語でした。物理や数学は正直あまり得意ではありませんでしたが、とても面白いと思っていたので、周囲からは賛成されませんでしたが思い切って理系を選択しました。大学で授業を受ける中で生物学の魅力に取り憑かれ、現在に至ります。(細胞が外部環境からストレス刺激を受け取り、ストレス反応を引き起こす仕組みについて研究をしています。)
高校生のみなさんとお話できることを楽しみにしています!